Story

アフリカ・ルワンダのスラムに住む青年アーティストとBizziを立ち上げました、藤井健人と申します。

2022年9月に彼と出会い、関係を深くしていくうちに、彼の壮絶な生い立ち、家族への想い、アーティストという夢を聞き、1人の友人として翌年7月にBizziを立ち上げることを決めました。

Bizziの背景をご一読いただき、何か感じるものがありましたら、彼のアイテム・作品を手に取っていただき、共に応援していただけたら幸いです。


アフリカの小さな村から日本へ、世界へ

Artist

Bizimungu Olivier|ビジムング・オリビエ

1999年9月生まれ / 24歳

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ルワンダ首都キガリのスラムで生まれ育つ。

幼い頃に両親が離婚。

スラムにある小さな土壁の家に母と7人の兄弟ともに暮らしていた。

母に仕事はなく、食料を確保することすらも難しい状況。唯一家族を支えてくれていた母の姉も病死。衛生面に多くの問題があり、オリビエ自身も体調を崩すことが多いが病院にも行くことができない。

次は自分が家族を支えなければと、危険も伴う単発の仕事を探したりと、何とか食い繋いでいた。

ある時、絵を描く機会があり、自分が周りより上手く描けているように感じた。

それから、紙と絵具を手に入れることができた時、描いた絵を街に売りに出てみて、少しではあったが、自分の絵が売れた時、彼の夢は自分の好きな絵で生きていく「アーティスト」になった。

今年10月、以前から住んでいたスラムの家が本来建ててはいけない場所にあるということで、政府から強制退去を命じられた。

家を失ったビジムング家は、首都キガリから離れたイヴィという村に移り住むこととなった。その村は、丘の上にあり、食料を買いに行くのに片道徒歩1時間、生活水を取りに行くのにも40分かかる。

家も、家賃が安いこともあり、壁が崩れかけていたり、雨漏りがひどい状況。

もちろん、電気・ガス・水道はない。

夜は、1つの懐中電灯を家族で交代で使い、生活している。

この環境でも、夢であるアーティストで家族を養うため、今も絵を描き続けている。

僕らの出会い

僕のボランティアの活動先だった幼稚園で、僕らは出会いました。

僕は、主に幼稚園で授業などを行いながら、個人でたくさんの絵具や筆などの画材を持って行き、現地の小学生や青年らと絵を描く活動をしていました。

土曜日に幼稚園に行くと、7人の中高生がいたので声をかけて、持っていた画材を渡し、一緒に絵を描きました。

その中の1人がオリビエでした。

彼だけが、真剣かつ楽しそうに描き、5分ほどで1枚の虎の絵を描き上げました。 

その姿を見て、帰国日が近づいていたこともあり、「絵が好きなんだろう」と思い、残っていたキャンバス、絵具、筆を全て彼にあげることにしました。

この時の僕は単にこれで楽しんで!という気で渡しただけでした。

しかし彼は、僕の帰国日に合わせて、5日ほどで7枚の絵を描き終え、見せに持ってきました。

僕はその熱意と作品に心打たれ、その絵を全て買い取り帰国しました。

これが、僕らの出会いでした。

スタートしたきっかけ

僕が帰国してから、当初オリビエはケータイを持っていなかったため、毎回なんとかして友達から借りてきては、僕とMessengerで連絡をとっていました。

自分の描いた絵や授業のノート、教室の風景などを送ってくれたり、色々な話をしました。遠く離れた場所にいる僕らでしたが、この方法でだんだんと関係を深めていきました。

そして、彼の現状や夢の話、細かい金銭状況の話までも聞くようになり、「オリビエと一緒に何かしたい」と思わされ、僕はBizziを始めることにしました。

プロジェクトを進めていくにつれて、ケータイの問題で連絡がスムーズにいかないことが大きな足枷になっていたため、お金を送り、スマホを買ってもらいました。

なので、今はこのようにビデオ通話もできるようになり、写真で作品を送ってもらったりしながら、プロジェクトを進めています。

スタート当初

当初は、オリビエは絵具などの画材を持っていなかったため、このようにボールペンだけで描いた絵を写真で送ってもらい、2人で相談しながら、僕が手を加えて、グラフィックデザインを作成していました。

遠く離れた土地から、紙切れとボールペンだけで作られた絵が届くことに、僕はロマンを感じていました。

"Past Actions"詳しく記載されておりますが、現在は僕のルワンダ渡航を終え、寄付して頂いたものも含め、たくさんの画材を届けられたため、有色での制作を行なっています。

ルワンダでの活動

1回目のクラウドファンディングで応援していただけたおかげで、僕は終了後すぐにルワンダへ渡航することができ、オリビエと再会しました。

ルワンダでは、僕は主に生活環境と制作環境を整えるために、食料の確保や家屋の修繕依頼、生活用品・薬の調達など多岐にわたってサポートしました。

オリビエは、寄付していただいたものも含め、画材が揃ったため、展示会のための作品を描き続けました。彼の作品には、1つ1つ彼の生い立ちから生まれた想い・訴えが込められています。

今も、彼は暗闇の中、懐中電灯1つで絵を描き続けています。

これからも、遠く離れたアフリカの小さな村から彼の作品を日本に届けて、原画・アイテムの販売を中心に、展覧会等のイベントを開催していきます。

その他にも、彼がスラムにいた頃の友人らにモデル・カメラマンとして依頼し、撮影も行いました。写真右ジョジアーネ、左イシメも19歳、21歳で今もなおスラムで生活し、金銭的に厳しい環境にいます。今後も、2人とは撮影などで関わっていく予定です。



これまでの活動は "ACTION "にまとめてあります。そちらの各ページ・ポストに詳しく記載しておりますので、ご覧いただけたら幸いです。